●ロンドン万国博覧会がカメラ(写真)を普及させた……
私(日本大学芸術学部写真科卒)も大学で写真史を学んだが、写真は誰が発明して、どのように写真技術が進んだかなどの技術史が主体であり、写真が社会に与えた影響や広がりについての講義はなかった。ロンドン博覧会は、生まれたばかりの写真技術が使われ、展示品全てが撮影された。それが大型の写真図録豪華本(カタログ)がつくられた、
本はヨーロッパ各国に持ち帰られて多くの人に見られた。結果として、写真の特質である写実性が認識され社会に大きな影響を与えた。写真は新しいメディアとして認識された。カメラを使うことを決めた主催者の決定に敬意を覚える。社会が新しい時代を迎えるときは、このような新しい取り込みが簡単に行われる。ビクトリア女王とアルバート殿下の熱意が大きく歴史を動かした、この事実は重要である。
|