滝沢馬琴の読本『珍説弓張月』の英雄流転譚挿絵 のすさまじい爆発

「石柩を破り曚雲出現」( 国立国会図書館デジタル化資料)

怪僧曚雲(もううん)が石棺を爆発して現れた情景だが、左上の弓を引く毛国鼎(もうこくてい)は、時間を別にする異時同図法的手法である。爆発は光り輝く線で表現され、飛び散る情景を力強く表している。まさしく、現代の劇画の先駆けとなった。本当は悲惨な場面なのだが、意外とコミカルである。




「為朝三たび曚雲を破る」
 曚雲の軍は黒雲の中に逃げ込み、為朝軍は柄杓で戦っている。北斉のコミカルな画面構成である。国立国会図書館デジタル化資料
「木綿山に雷公重季を撃つ」
  為朝に射られる雷獣、左上の画面で閃光が破裂して、重季の手足が飛び散っている。左は、矢にいられた雷獣である。国立国会図書館デジタル化資料