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●千絵の海シリーズは、つい最近までその残存数が極めて少ないために、数枚を出したとこで販売中止されたようである。または版下・校合摺りの段階で中止されたというのが、ほぼ定説であった。ところが2011年1月10日、テレビNHK総合放送にて「パリ国立図書館写本部」で画帳仕立ての『千繪の海』10枚揃いが発見されたと放送した。 | ||||||||||||||||||||||||||
●「千絵の海 蚊鉢流(かばりながし)」絵・前北斉為一筆(葛飾北斎)版元・森屋治兵衛 天保4年(1833)頃、横中判(29.3×19.0センチ)錦絵、東京国立博物館蔵 毛針釣りであろう。虫を模した擬餌針で魚を釣る。今の石川県で行われた、その後、土佐国でも盛んに行われた。主に鮎を釣る漁法である |
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●「千絵の海 待チ網」絵・前北斉為一筆(葛飾北斎)版元・森屋治兵衛 天保3〜4年(1833)頃、横中判(29.3×19.0センチ)錦絵、東京国立博物館蔵 浅い瀬などの水中に網を張っておき、魚が入るのを待ちすくい取る漁法である。絵ではざるや網など色々使っている。特定の場所を描いたのでは無いようだ。 |
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●「千絵の海 絹川はちふせ」絵・前北斉為一筆(葛飾北斎)版元・森屋治兵衛 天保4年(1833)頃、中判(29.3×19.0センチ)、東京国立博物館蔵、 魚を浅瀬に追い込み籠(かご)ですくい上げ捕る漁法。今でもアユ漁で行われている。 |
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●「千絵の海 五島鯨突」絵・前北斉為一筆(葛飾北斎)版元・森屋治兵衛 天保3〜4年(1833)頃、横中判(29.3×19.0センチ錦絵、東京国立博物館蔵 長崎県五島の魚目に伝わる漁法、慶長11年(1606)頃、熊野の鯨突き漁が伝わり行われた。小舟で鯨を追いかけ銛で突き弱らせながら浅瀬に追い込む。やや北斎の大胆さに欠ける。 |
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●「千絵の海 甲州火振」絵・前北斉為一筆(葛飾北斎)版元・森屋治兵衛 天保4年(1833)頃、横中判(29.3×19.0センチ)錦絵、東京国立博物館蔵 「火振り漁」である。古くから行われ、月夜のない暗い夜に、松明の火を水面に近づけて魚(アユ)が寄ってきたところを編みで捕る漁法。 |
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●「千絵の海 相州浦賀」絵・前北斉為一筆(葛飾北斎)版元・森屋治兵衛 天保4年(1833)頃、横中判(29.3×19.0センチ)錦絵、(財)アダチ伝統木版画技術保存会 複刻版 岩場に潜む魚を餌で捕る一般的な漁。 |
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●「千絵の海 総州銚子」絵・前北斉為一筆(葛飾北斎)版元・森屋治兵衛 天保3〜4年(1833)頃、横中判(29.3×19.0センチ)錦絵、ギメ東洋美術館蔵 富嶽三十六景の流れの絵であり、特別な漁ではない。太平洋の荒波を見せたかったのであろう。 |
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●「千絵の海 総州利根川」絵・前北斉為一筆(葛飾北斎)版元・森屋治兵衛 天保3〜4年(1833)頃、横中判(29.3×19.0センチ)錦絵、(財)アダチ伝統木版画技術保存会 複刻版 漁師が四つ手網を引き上げているところ、網は水中に落としておき、頃合いを見て掬い上げる。シラスウナギ漁が有名であった。 |
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●「千絵の海 宮戸川長縄」絵・前北斉為一筆(葛飾北斎)版元・森屋治兵衛 天保4年(1833)頃、横中判(29.3×19.0センチ)錦絵、東京国立博物館蔵 『表題には「宮戸川」とあるが、関係する版下絵帖の同図には「両国」とある。対岸に並ぶ同一な建物は、北斎が描いた『隅田川 両岸一覧』上巻の「御船蔵の○(虫偏に舟)」にある御船蔵とみられ、版下絵帖の「両国」の表題のように両国界隈の景観と思われる。』 (東京伝統版画工芸協同組合ホームページより) |
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●「千絵の海 下総登戸」絵・前北斉為一筆(葛飾北斎)版元・森屋治兵衛 天保3〜4年(1833)頃、横中判(29.3×19.0センチ)錦絵、メトロポリタン美術館蔵
現在の千葉県登戸である、昔は「登戸の津」と言ったらしい。潮の引いた浅瀬でハマグリなどを取る様子である。千葉の焼きハマグリと言われ、東京湾の埋め立てが始まる昭和初期頃まで有名であった。 |
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