●ドードーの油画について……
この絵は、オックスフォド大学附属・アシュモール博物館に飾られていた。ルイス・キャロルはアリス・リデルとの散歩中にこの絵をよく見ていたという。
上の写真は、1775年にドードーが捨てられたときに唯一残された頭部、脚、数片の骨である。これらがなければ、学者もドードーの実在を信じなかったという。
上のオックスフォード大学附属「アシュモール博物館」に展示されているドードーの骨は、1638年に 路上で見世物になっていたドードーであると言われる。
《ドードーの学名は、ラフス・ククラトゥス》(Raphus
cucullatus) 詳細ページ
(意味は『カッコウによく似た縫い目のある鳥』である)
またリンネ(生物を種名と属名で表す 二名法を創り出したスウェーデンの生物学者)も、学名を「ディドゥス・イネプ トゥス」(Didus
ineptus)、「まぬけなドードー」と意味する学名をつけている。
もともと名前は、鳴き声をラテン語にしたものだともいわれる。また昔の人が鳴き声を、「ドードー」とか「ディードゥー」とか「ドゥードゥー」と、聞いたためともいわれる。
ポルトガル語の「まぬけ」という意味の、ドゥオド (duodo)をラテン語風にしたのかも知れない。
〈英語の慣用句になったドードー……〉
"As dead as a Dodo"と"As dumb as a Dodo"のように使われた。
●英語辞書では、その意味を「ばか」 などと記載している。また、使い方に「ドードーのように完全に忘れられた〜」(As
dead as dodo)と慣用句がある(ブルーワ英語故事成語大事典)。当時はこの言い方が、語呂合わせのように芝居や歌にも使われたらしい。この人を馬鹿にしたような名前が、ルイス・キャロルの心に共感を呼んだのかも知れない。
《ルイス・キャロルによって有名になったドードー》
●『不思議の国のアリス』はドードーを有名した。しかし19世紀になると、空想上の動物だと思う人が多くなり、専門の動物学者でさえ仮空の動物だと思う人がいた。
その後、絶滅 動物が多くの人の関心をよび、動物保護の機運が高くなったときに、絶滅したドードーは地球上で同じような似た姿をもたぬ孤立種であることから『動物保護のシンボル』となった
。
そして今では世界中で、もっとも有名な鳥のひとつとなったのである。上の画もそうであるが、ほとんどの画がルーラント・サーフェリー(Roelant
Savery)の画を参考にしている。手に入る参考資料がなく、標本も限られていたためである。
●ドードーの基本だけを知りたい方は、第一章をクリック
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