弥彦神社の俗称「伊藤忠太狛犬」と言われる護国系狛犬の雄姿

伊藤忠太狛犬写真伊藤忠太狛犬写真

上の写真2枚は左吽像を左右から見たところ。胸にぶら下げているのは瓔珞(ようらく)をイメージしたものかも知れない。
注、瓔珞(ようらく)とは観音像が宝珠をネックレスのように首からかけているもの。2007.11.07
伊藤忠太狛犬写真伊藤忠太狛犬写真

上の写真は、右の阿像、下の写真は阿像を後ろから見たところ。尾の形状と頭部髪の左右わけがよく分かる。


新潟県西蒲原郡弥彦村に弥彦神社はある。神社の正式名称は「いやひこじんじゃ」であるが、一般的に「やひこじんじゃ」といわれている。神社は弥彦山の麓にあり山全体が神域である。頂上には奥の院があり、そこより日本海の佐渡島が見える。
 前社殿は明治45年(1912)の火災により焼失した。その後、大正5年(1916)に境内に場所を移して再建されたもので、この狛犬もその時に奉納された。

この狛犬が有名なのは全体デザインが伊藤忠太、原型製作は新海竹太郎、石工は酒井八右衛門と当時の大御所が造ったからである。特に伊藤忠太は東京の築地本願寺の設計で知られ、西洋の悪魔や化け物などにイメージをとった独自の世界を持つ。この狛犬にもその雰囲気が色濃く見られる。靖国神社の狛犬も同じ伊藤忠太の手になる。護国寺系の神社に影響を与えた狛犬である。
伊藤忠太狛犬写真
左の写真は、胸を張り背筋を伸ばした護国系狛犬の特徴がよく分かる。
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