●「和合駱駝之世界」(2巻)江南亭唐立作・歌川国安絵 文政8年(1825)版元・森屋治兵衛 国立国会図書館デジタル化資料 2014.06.27更新
ー写真は上から順番ー●1の説明 日本にやって来たオランダ人(阿野夫矢)は、なじみになった長崎丸山の遊女(大夫連山)に、愛の証にと「ふうふなかのよいらくだ」を贈るのである。絵は連れられてきた駱駝に驚く遊女連山達。 ●2の説明 送られた遊女は駱駝の扱いに困ってしまう、何しろ大量の餌を食べるのである、そこの見世物興行師が現れ、駱駝を譲って欲しいと願うのである。駱駝は霊獣で「その絵姿を書き、壁に貼っておくと悪魔よけになる」、特に今流行の麻疹には良く効くので助けると思って譲ってくれと言う。 ●3の説明 見世物は大当たりとなり、駱駝見たさに群衆が押し寄せる。何しろ見るだけで御利益があり、麻疹だけでなくどんな病にも良いそうだ。と噂が噂を呼び、大盛況である。 ●4の説明 年中喧嘩が絶えない夫婦にも、大家がやって来て「駱駝の夫婦を見習えという。」見開き絵が11点ほどの絵双紙である。国立国会図書館デジタル化資料で、全頁を見ることが出来る。(注)駱駝について詳しく知りたい方は、見世物本の定番「江戸の見世物」川添 裕著 岩波新書を御覧ください。挿絵10枚の内、4枚紹介。
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上記の文久3年にやって来た駱駝らしく、駱駝の寸法が書いてある。駱駝の瘤(こぶ)の下辺で5尺7寸(約174センチ)、足7寸(約23センチ)、顔の長さ1尺8寸(約57センチ)。この絵以外に牡の絵もある。文政4年(1821)にオランダ船によってもたらされたラクダの彩色絵。(早稲田大学図書館WEB展覧会所蔵) ●描いた絵師・岡 勝谷は、東京国立博物館所蔵の木挽町狩野派に名前がある。右から8人目に市ヶ谷本村 岡勝谷とある。狩野派の枠である。資料・『東京画家派分一覧表』部分 独立行政法人 国立文化財機構 東京文化財研究所所蔵