大田区最古の狛犬、奉納は六郷中町有志により貞享2年(1685)に奉納、
何がモデルか不思議な狛犬
先代狛犬


上の狛犬阿像(雌)、下の写真吽像(雄)には牙らしき歯もあり、頭には角らしい突起もある。角は狛犬のみにあり獅子にはない。高さ57×長さ51×巾27センチ。
大田区の資料によれば、この狛犬は貞享2年(1685年)に六郷中町有志が子供の安楽を祈り寄進したものであるという。前は社殿前にあったが、現在は前庭に保存されている。左側に阿像(雄)125×80×60センチ、右側に吽像(雌)125×84×62センチが設置されている。石工(いしく)は三右上衛門である。
江戸時代の製作で、大胆な推測をすれば石工は何をモデルにしたのだろうか、当時珍重された愛玩犬「狆(チン)」ではないだろうか。しかし、横から見ると前足の所に獅子が持つ羽のようなものがある、この羽のような毛を「走毛」という説もある。獅子、またはギリシャ神話にルーツを持つ天馬(ペガサス)からイメージしたものであろうか。

江戸時代の日光東照宮に寄進された狛犬がきっかけとなり、武士が寄進し始め、次第に庶民に広がり全国に狛犬寄進ブームが起きたという。これが「狛犬は江戸」からと言われた説である。

先代こまいぬ左の写真は前庭で余生を送る先代狛犬、下の写真は現在社殿前にある現在の狛犬。阿像拡大


   

現在鎮座している狛犬は大正8年のもの、昭和12年に、台座を改修して高くしているようだ。左に阿像(雄)右に吽像(雌)だが獅子のイメージが強く、先代のような強烈な個性はない。

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