お参りするのは、隅田川西岸の松崎稲荷社である。行楽地であり、夏の暑い日の夕方には夕涼みの人たちで賑わった。大胆に胸元を開けて、背中に手拭いを襟元から入れて拭く姉さんは、下町の姉御である。

伊藤敦子氏のあげている例は、国芳の『大願成就有り瀧縞 布引の瀧』であるが、女性のポーズは同じで、上の浮世絵は縞模様の着物だが、片方は上布である。また背景が違う。背景の版木のみを取り換えた浮世絵である。並べて見て欲しい。

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