大森区と蒲田区に分かれていた頃の地誌、一つに成り大田区が生まれた。
 2016年上記の本の原本を入手した。区立大田図書館(大田区の基幹図書館)では合本として収蔵されていたが、神田古本街の書店ネットで見つけた。発行部数が少ないため高価であった。
典拠文献資料 原本『新版大森風土記』杉原庄之助著 印刷人・山田孝雄 印刷所・東京曙新聞社 発行所・大森史跡研究会編 取次所・玉屋書店 昭和10年9月(1935)(「馬込と大田区の歴史を保存する会」所蔵)
 


この本は普及版(原本)である。しかし、残念なことに著者の「徳川時代における著名な大名」という指摘から大大名毛利藩になり、現在の大分県を支配した、わずか二万石の佐伯藩毛利家とは思われなかった。これが大名屋敷門の藩名を明らかにする事を困難にした。




荏原(現・大田区)の伝承・故事を集めた労作
  該当するページは、「小字と伝説の数々」にあり、「中丸に残る舊大名御門」のタイトルで紹介されている。この本は、 大田区の伝承を集めた資料で、数多くの話が収録されている。
  杉原庄之助氏は、伝承内容を史料・古老・子孫の片などに丹念に取材するなどしており、出来うる限り検証している、信じられる本と言える。昭和10年(1935)の発行であり、当時は明治生まれの人も生存しており、その方たちの話を聞くことが出来た事は、大変貴重であると言える。残念なことに大田区立図書館では、この本は太田図書館にしかない。また、伝承内容は「大田区史」等の伝承資料として収録されているが、参考資料としては明示されていない。
 
  著者の杉原庄之助は大森町会議員(大田区が大森区と蒲田区に分かれていた頃)を勤めた人物である。その履歴から信頼できると考える。(参照・『大田区ゆかりの人々 近現代編』「大田区史事典」作成グループ編 大田区立馬込文化センター発行)
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