《香辛料の歴史 古代からマルコポーロまで……》 | |
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《中世 香辛料の道……十字軍がヨーロッパに香辛料をもたらした》 | |
●ローマ帝国の頃には、陸路や海路によりインド産の胡椒(こしょう)が輸入されていた。その後、七世紀にはイスラム教の勃興により西アジアは胡椒の大消費地になっていた。
イスラム商人はインドのアラバール海岸を胡椒海岸とよび、西アジアと中国に大規模な交易をおこなった。
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《中世社会での香辛料の価値……》 ●香辛料は極めて重要なものであつた。しかし、蛮族の侵入やアラブによる征服のために、手に入りにくい珍奇なものになってしまった。十字軍遠征の最後には、香辛料の原産地がどこかということさえ忘れさられてしまった。 コショウ(胡椒)はヴェネツア人に「天国の種子」と呼ばれるほど価値の高いものとなった。中世ヨーロッパでは香辛料の中でコショウがもっとも高かった。香辛料は祝祭日、結婚、新年の贈り物などに用いられた。貢ぎ物はしばしば香辛料として徴収された。 (「香辛料の世界史」リュシアン・ギュイヨ著 白水社) ■何故、中世の社会は香辛料を狂気のごとく求めたのか。その答えは『香料を求めた中世ヨーロッパの食生活』にあります。 |
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