ドードーの巣……… ドードーの巣は地面にあり、ヤシの葉を集めて駕篭のようにして中に白い卵を生んだ。 卵はひとつで、大きさは洋梨ほどだったらしい。島での長い進化のため、個体調節の自然摂理で、ひとつの卵になったのであろう。雛(ヒナ)の成長は遅く、卵や雛を殺されると急激に絶滅の道を歩き始めた。 ただ一つの巣の記述…… 『この鳥が巣を作るときは、清潔な場所をえらび、ヤシの葉を集めてきて地上約1メートル半の高さに積み上げ、その上に座る。 卵は(1回につき)1個だけ、ガチョウのそれよりもずっと大きいのを生む。これを雄雌両方が交代で温める。雛7週間目の終わりまで孵化しないので、その間中、交代ですわっている。また、かえった雛は数ヶ月間、自分で餌を探すことが出来ないので、その間中ずっと親が面倒を見る』とある。 (ルグアの『冒険航海記』)より ● ドードーは何を食べたか…… 食物は地面に落ちている果実を食べた。果実を脚で踏みつけて押さえ、その鋭く曲がった嘴でむしりとった。もちろん、枝についている果実は、あの曲がった鋭い嘴でかみ切って、そのまま丸飲みした。それ以外にも種や球根も食べた。他の鳥類と同じくドードーの砂嚢には小石があり、食物をすりつぶすのを助けた。 『絶滅鳥』(エロール・フラー著)の記載によれば、何人かの水夫が見た話として、『ドードーが水たまりに入り魚を捕っているのを見たという』ことが紹介されている。 ● モーリシャスやレユニオンのドードーは群をなして住んでいた…… これは航海記にも多くの記録があり確かである。ただし、ロドリゲスのドードーのついては、フランス人の入植者フランソワ・レギュア(ルグア)の記録しか残されていない。 それによれば、彼はドードーを探しに1691年から93年の三年間、3島を探検した。モーリシャス島、レユニオン島ではドードーを見つけることが出来なかった。しかしロドリゲス島ではドードーを見つけることが出来た。この島のドードーは群をつくらず単独で行動していたという。それが別 名「ひとりもの」の由来である。 ● ドードーの鳴き声…… 「ドードー」、「ディードゥー」、「ドゥードゥー」と記載されている。ポルトガル人の聞いた鳴き声なので、日本人にはハトの「ドゥッードゥッー」などの音を想像したほうがわかりやすい。 また、別の説ではポルトガル語で「まぬけ」という意味の「ドゥオド」をラテン語風にしたのかも知れないという。 ドードーの生態は、資料が少なく、はっきりしたことはわからない。 当時の 帆船乗組員の航海記等だけで、博物学者などの信頼できる観察記録はない |
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《ドードーに関する主な基本資料は以下の3点である》 |