『東京商工会議所付近』を描いたと言われる油絵

 三菱が原の風景(油絵)  この油絵は明治32年(1899)の三菱ヶ原を描いたものらしい。明治23年(1890)に払い下げを受けた三菱は、すぐに開発が出来たわけではないようだ。野原のままで3年近くが過ぎたと言われる。
明治27年(1894)に東京府庁舎、同年12月に赤煉瓦の三菱1号館、28年に三菱2号館、29年に三菱3号館、32年に東京商工会議所が建ち、人々は「三菱が原の四軒長屋」と呼んだ。
  油絵の洋館がどの館であるか不明である。三菱は丸の内に木造建築・一定基準の建設物以外は許さず、そのため他の場所に比べ、開発が20年間の遅れを取ったと言われる。大正3年(1915)に東京駅が出来るまで丸の内に発展はなかった。
参照『丸の内今と昔』著作者 冨山房(合)冨山房発行 昭和16年(1941)1月発行、油絵も同書の差し込み絵(右下にサイン有り、作者不明)
 

昭和27年(1952)発行の『縮刷版 丸の内今と昔』(三菱地所株式会社 非売品)では、上の油絵を『東京商工会議所付近』としている。目次扉に戻る