●堤方神社について……
祭神は仁徳天皇、明治43年(1910)に現在地に移転した堤方神社、この神社は本門寺台地にあり、やや分かりにくい所にある。昔は若宮社といわれ、明治40年(1907)に三所神社、十二社(神社)、稲荷社などを合祀して堤方神社となった。幣殿・拝殿は天保11年(1840)の建設である(再建棟札あり)。
●堤方神社の正面ー江戸後期の装飾を示す堂宮彫刻
向拝正面横に用いる虹梁は水引虹梁(又は向拝虹梁)と呼ばれています、江戸末期の神社は虹梁など部材にも彫物を彫り、装飾過多になったとも言われていますが、その始まり頃を示す例と思う。
堤方神社の水引虹梁も波状の彫物があり、木鼻は龍だが向拝柱を巻くように作られている、向拝柱にも籠彫(かごぼり)があり波の中に亀が彫られています。 同じ頃作られた久が原東部八幡社の木鼻籠彫には犀が彫られている。また、水引虹梁の上にも龍が見えます。木地に彩色された赤色は後の細工らしい。下の写真は右側の龍の彫刻である。