稗田神社の創建は、和銅2年(1369)僧行基が開いたと伝承の古社である
狛犬写真
狛犬写真
狛犬写真
狛犬写真


「笑う狛犬」、稗田神社の不思議な狛犬
上の写真2枚が左の阿像である。下の写真が右の阿像である。どちらも口を開けた阿像であろうと思われる。笑っている以外に他の大きな特徴は、耳の位置がかなり後ろにあり寝ていることである。また、おでこの上に二つの渦状「前髪」がある。背中の髪も渦を巻いており、尻尾も渦を巻いて左右に流れる。足の爪は大きく四つである。左右とも同じ姿をした阿像であろう。江戸時代の狛犬と考えて良さそうだ。

台座(左)には、願主として「氏子一同、昭和34年8月15日、青山石勝」とある。台座(右)には、願主西山○建○、鎮座千二百五十年とある。千二百五十年とすると鎌倉時代・建長2年(1250)となる、その頃の創建と記念したのであろうか。台座と狛犬の年代は違う、台座のみを後から作ったのである、昭和時代の狛犬とは思われない。江戸時代の奉納であろう。

稗田神社の祭神
誉田別尊、天照大御神、武内宿禰、荒木田襲津彦命、春日大神である。
(注)稗田神社の稗には、「くさかんむり」が付くのだが表示の関係から易しい字にした。

稗田神社写真
延喜式神明帳には、「武蔵国荏原郡稗田神社」と記載されている。和銅二年(1369)に行基が天照、八幡、春日の三体を作り、後に日蓮が村民の願いを入れ開眼したと言われている。古くは蒲田神社と呼ばれ、永禄(1558年)の頃、この地を治めていた行方弾正が崇敬したため繁栄したという。だが、行方氏の没落と共に神社も神器・宝物・記録などを失なった。その後、地元村民氏子の努力により再建された。

《鳥居について》
大田区文化財指定の鳥居は花崗岩の明神型である。高さ310センチメートル、柱間314センチメートルである。寛政12年(1800)の建立である。境内には三十番神社、薬祖神社、稲荷神社が合祀されている。

住所 蒲田3-2-14 稗田神社 HP https://kamatahachiman.org

目次扉に戻る    狛犬扉に