江戸近郊八景之内 玉川秋月 歌川広重  天保6〜9年(1835〜38)
 国立国会図書館所蔵

歌川広重の代表作といわれる「江戸近郊八景」(8枚連作)のひとつ「玉川秋月」である。初版は摺物であるようだ、狂歌師・大盃堂呑桝の注文らしく、欄外に「大盃堂開版」と刻記されている。また、狂歌が3〜4首入っている。国立国会図書館蔵の浮世絵は後刷りであろう。初刷りは仲間同士で贈りあう摺物であったから、刷り枚数は少なかったであろう。人気が出たので狂歌を入れ替えるなどして、版元・喜鶴堂から後刷りとして板行されたのであろうか。

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