「縞揃女弁慶 武蔵野の月」鏡台の前に座り、カミソリを持ち身支度をしている女性。
〈狂歌〉 宝しゅ亭舟唄『父と姑(こ)の 名をあはす砥(と)にあらためて むかうかがみや武蔵野の月』父は子を残し世を去り、父子は水を通す砥石中で出会うと受け取れる。江戸の人びとは、水は春水、通すは娘おつうと解釈したらしい。(『狂歌と着物の模様のメッセージー浮世絵の女性達ー』伊藤敦子著 朱鳥社刊 2005年)、洗い髪の彫りが実に見事である。

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