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『外国産鳥之図』は 作者も成立年代も不明である。国立国会図書館に収蔵されている一軸(全一巻)には、画紙(幅26〜27、長さ40〜45センチ)が貼り込まれている。描かれている鳥は39点、内34点が鳥の種類を同定できるという。「また飼育された鳥を2点含んでいるが、ほとんどがアジア産で、28点が日本では全く産しない種類の鳥である」という。同定できるほど絵の出来は良く、わずかに数点がやや落ちるのみである。
『唐蘭船持渡鳥獣之図』と比較されるが、同書と比べるとオウム・インコが少ない、また図譜の年代も分類も一環性がない、しかし『外国産鳥の図』と同じく、長崎町名主高木家の絵図に関連することは間違いないようだ。『いささか大胆に推理すると、『外国産鳥の図』はその失われた絵図の系統ではないだろうか』と推理している。(『舶来鳥獣図誌ー唐蘭船持渡鳥獣之図と外国産鳥の図』磯野直秀・内田康夫著(株)八坂書房 1992年刊)
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●「外国産鳥之図 コジュケイ」編者不明 写本一軸
文中に竹鶏と書いてありますが、鳥はコジュケイ(小綬鶏)です。日本には居なかった鳥である。享保12年(1727)の写生で一番古い写生です。台湾や中国が原産地で唐船によりしばしば持ち込まれました。現在野生化したコジュケイは、大正7年(1918)以降に広がった鳥です。国立国会図書館デジタル化資料
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● 「山鵲 サンジャク(カササギ)」絵師不明、カササギ属 中国では古くからの飼い鳥。大正12年(1923)に国の天然記念物となる。別名をカチガラス、またはコウライガラスともいわれる、呼び名のように中国からの外来種である。生息域は九州北部佐賀平野付近にだけ生息する。古来より七夕の架け橋を造る鳥として歌に歌われている。国立国会図書館デジタル化資料
佐賀県の県鳥、カササギの紹介
WEB の辞書gooには『1 七夕の夜、牽牛(けんぎゅう)・織女の二星が会うとき、カササギが翼を並べて天の川に渡すという想像上の橋。男女の契りの橋渡しのたとえにも用いる。烏鵲橋(うじゃくきょう)。』とある。 |
●「紅音呼」絵師不明、ルイチガイショウジョウインコである。猩々インコに似ている。原産地はインドネシアのモルッカ諸島で、蘭船(オランダ船)によりもたらされた。
●文化10年(1813)に日本に渡来し、物まねが上手く人気になり数多く輸入された。 右のインコは文化12年(1815)に輸入された類違惺々インコである。同一種であるが別名となった。
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●「青鶏 セイケイ」元文2年(1737)クイナの仲間である。注記に窪田肥前守とあり、彼が長崎奉行であった年代をあてている。国立国会図書館デジタル化資料 |
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香辛料獲得に始まる大航海時代
モルッカ諸島では、 香辛料だけでなく目に付く南洋の珍しい動植物を故国(ヨーロッパ)に持ち帰った。王侯貴族や裕福な商人などに、東洋の珍しい鳥獣類は人気があったのである。東インド会社は、特に人気のあった大量のオウム・インコを捕らえて売りさばいた。
江戸時代には出島からオランダや清国の貿易船からもたらされ、裕福な商人や大名家に売られ、また全国各地で見世物になり、江戸両国川岸の見世物小屋では数多くの見世物が見られた。国立国会図書館デジタル化資料
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