『ガランチョウ(伽藍鳥』一舗 清水淇川(きせん)画
「ガランチョウ(伽藍鳥)ペリカン 」ペリカン属、嘴に特長があるようだが、種類は不明。日本での記録は、永享2年(1430)に京都伏見の船津で捕らえられたのが最初である。おそらく台風に運ばれた迷鳥である。

 習性は肉食性でわりに獰猛である。西洋の伝承では、ペリカンは自分の子供を大切にする動物と思われていた。餌が取れなかったときなど、胸に穴を開け、自分の血を子供に与えるという。この伝承からキリスト教などで、自己犠牲のシンボルと成り、紋章などに描かれた。現在は、アイルランド輸血機関や、ルイジアナ州の旗などに使用されている。

この絵は、文中の書き込みによれば、文久2年(1862)に尾張熱田沖の桜新田海岸で捕獲されたとある。描いたのは尾張の画家清水淇川(きせん)である。 国立国会図書館デジタル化資料