尾形光琳筆 (おがたこうりん) 作
『白綾地秋草模様小袖』(しろあやじ あきくさもよう こそで)

『白綾地秋草模様描絵小袖』別名(冬木小袖)尾形光琳筆 (おがたこうりん) 1領 丈147.2 裄65.1 江戸時代・18世紀 東京国立博物館所蔵(指定名称I-721)    

小袖に付属した付属文章によれば、尾形光琳自身が筆をとり、江戸深川の材木商冬木屋夫人のために、白地の小袖に直接描いている。

材木商冬木家とは………
宝永2年(1705年)12月17日冬木屋彌平次政郷が幕府より、木置場として下付された土地に屋号の「冬木」と名付けたのが冬木の始まりである。尾形光琳は、宝永1年(1704)から5年間江戸に滞在した。江戸では姫路藩酒井家や津軽家、豪商の三井・住友や冬木の援助を受けた。宝永6年(1709年)京都に帰る。おそらく、冬木小袖は、この江戸滞在中に創られたと思われるが、京都に帰った正徳1年(1711)と言う説もある。不思議なことに冬木小袖と同じものがMOA博物館に伝えられている。個人的な見解だが、京都に帰った光琳が江戸滞在のお礼に何領か制作したのかもしれない。
  下に東京国立博物館所蔵の冬木小袖写真。


冬木小袖は、明治に東京国立博物館所蔵に所蔵された、状態は悪く裏地も無い状態であった。実際に着られたのではなく、観賞用に衣紋掛けに掛けられたのではないかとの説もあるが、布地の模様は着たときに最適の位置であることから、光琳は着ることを想定していたと思われた。現在、冬木小袖修理プロジェクトが進んでいる。冬木小袖修理プロジェクト アドレス
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