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●源頼朝(1147〜1199) 別名 右大将、鎌倉殿、源二位、右幕下、正二位(官位) 〔重要文化財〕 木造伝源頼朝座像 木造彩色、高さ90.3センチ、 鎌倉時代 東京国立博物館所蔵 |
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●鎌倉鶴岡八幡宮内の白旗神社に伝わる、烏帽子に狩りの服装であぐらをしたような姿である。糊がきいた強装束で、当時の貴族を模したようである。鎌倉には、同じような姿の木像が二体ある、それは北条時頼像(建長寺)、上杉重房像
(明月院)であるが、頼朝像が新しく、頼朝没後100年あたりの制作と思われる。 頼朝は、鎌倉時代より武家の崇敬が高く、豊臣秀吉は頼朝像の肩を叩きながら話しかけたと伝わる。(参照・東京国立博物館解説より) ●秀吉が語りかけた言葉…… 『天正18年(1590)、鶴岡八幡宮に詣で、源頼朝座像と向かい合い、「俺は百姓の身から、お前は罪人の身から天下を取った。このような徒手空拳から天下人になったのは、俺とお前以外にはいないだろう」と語りかけたと伝えられる』(『なぜ偉人たちは教科書からきえたのか[肖像化]が語る通説破りの日本史』河合敦著 光文社 2006年刊) |
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● 伝 源頼朝像について 『神護寺仙洞院に、後白河法皇像とともに安置されていた源頼朝、平重盛、藤原光能(みつよし)、平業房(たいらのなりふさ)の画像のうちの一部とみられ、他に光能像が残っている。』 『 強装束の肩を強く張り、その端から直線的に下りる袖の作り出す三角形の安定した構図には重厚さがあり、院政期の耽美的な絵画とは全く異なる新しい感覚を示している。また袍の唐草の文様には形式化や型くずれのない新鮮さが感じられ、また相好に見られる微妙な立体感の表現には、鎌倉前期の写実の精神がみられる。似絵の名手藤原隆信筆と伝えるが、小型の紙絵の肖像を意味する「似絵」とは一線を画すものである。しかしながら鎌倉前期の大和絵肖像画の代表的傑作である。』(京都国立博物館開設より) ●絹本著色(頼朝)143.0×112.8cm 鎌倉時代(13世紀)京都 神護寺 国宝 「伝源頼朝像」神護寺 鎌倉時代目次に戻る 昭和五十四年(1979)に神護寺三像の修理が行われた、一年半の日時をかけた神護寺三像の修理は、京都の岡墨光堂が担当した。その修理前と修理後に撮影した写真である。(『国宝伝源頼朝像・国宝伝平重盛像・国宝伝藤原光能像 修理報告書』岡墨光堂 1983年刊 非売品) ●上記の修理報告書報告書から 縦143センチ×112.8センチのほぼ等身代の像である。絵に使われている絵絹(えぎぬ)は広く、通常では2〜3枚つなぐのが普通ですが、神護寺三像は一枚の広絹です、当時の日本での製作は難しく、おそらく中国からもたらされた物であると考えられています。 (注)広絹 天平尺:二尺五寸(約74cm) ●保護されていた皮膜層を除去すると鮮やかな文様、襞の線、隈取りが表れた、しかし修理や補修の痕跡は見出せなかった。 ●武士階級の登場より柔らかな貴族的装束から、角張った強装束が生まれた。また身につけている太刀も毛抜型で武官の持つものです。有職故実の大家鈴木敬三氏によれば、「神護寺三像は四位以上の公卿で武官である」と認定しています。 ●何故、画像に賛もない人物像が、神護寺三像は源頼朝となったのか、南北朝時代に作られた『神護寺略記』に右大将頼朝卿とあり、それ以後、源頼朝像と見なされた。また、作者は藤原隆信の似絵であると記載されていますが、似絵ではありません、しかも三像は別々の作者と考えられています。これらの事から『神護寺略記』の記述を鵜呑みには出来ません。 (注)似絵とは平安時代末期に生まれた写実性・記録性の強い絵で、細い淡墨線を重ね輪郭を描く技法で描かれおり、小幅(40.3×30.6センチほど)の作品です。 (参照『国宝神護寺三像とは何か』黒田日出男著 角川学芸出版刊 平成24年) |
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●甲斐善光寺所蔵ー頼朝座像
山梨県指定文化財 彩色木造 高さ95.8センチ 冠・強装束 |
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文保3年(1319)制作、胎内には文治3年と記載する意趣文があり、頼朝の命日である正治元年(1199年)正月13日の日付が記されることから、最古の頼朝像とされる。 意趣文には、二度の火災(1268年・1313年)に遭った事が記載されている。 また 木造の制作年代も文保3年(1319)と文永5年(1268)の説がある。 ●甲斐善光寺にある源頼朝座像が本当の源頼朝像であるとする説。 『鎌倉前期に製作された事が確実な源頼朝の唯一の肖像は甲斐善光寺の源頼朝座像であり、それは北条政子の命によって造像された希有な像である』、 源頼朝は 信濃善光寺を復興した大壇那であり、信州・甲州の善光寺には源氏三代将軍堂があり、この像もそこに祀られていた。(『源頼朝の真像』黒田日出男著 角川選書刊 平成24年) |
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