●宣教師たちの記述から、
フランシス会修道士のカルピニはモンゴルの暮らしや習慣を記述した。これは『歴史の鏡』(ヴァンサン・ド・ポーヴェ)に入っている。1248年に十字軍に随行したフランシスコ修道会の修道士ギョーム・ド・ルブルクの記録。他の旅行記としては『マンデヴァル卿旅行記』とフランシスコ修道会の修道士ポルデーンネのオドリコが書いた『東方紀行』(73の手写本)がある。しかしその中でも群をぬいて人々に影響を与えたのは『東方見聞録』である。
東方見聞録は別名『この世についての四方夜話』とか、『マルコ・ポーロとアジアの不思議な物語の書』『世界の叙述』ともいわれている。『東方見聞録』には138種の写本があり、コロンブスも1438年から1485年頃に出版された1冊を持っていた。14世紀には手写本として世に出た。のちに印刷され各国語に翻訳されて世の人々に読まれたのである。
●コロンブスも1438年か1485年に出版された1冊を持っていた。この本は今も「インド関係総文章館」に保存されており、コロンブス自身の366箇所の書き込みを見ることが出来る。そこには飽くなき「黄金、銀、真珠、香辛料」にたいする執着心が見られるのである。
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