●バジリスク(Basilisk)
ルーツはギリシャらしい、語源は蛇である。古いギリシャの物語に出てくる空想上の動物である。伝承は色々と変化して形も変わった。名前の由来はギリシャ語で「小さな王」である。姿は頭に王冠を頂くか、に似た白い印をもつ。全体の姿は蛇であったり、竜のようである、全長は1フィートから6フィートである。
●エジプトの伝説によれば、イビスという朱鷺(トキ)に似た鳥は、蛇をよく食べるという
。その食べた鳥の体内で卵が育ちバシリスクが生まれるという。また別の説によればヒキガエルが、温めた雄ニワトリの卵から生まれるのだという。(上記のイラストで、上のものは中世の王冠をかぶったバジリスク)(イラスト・右の彫刻はゴシック建築の教会壁面を飾るバジリスク)
●バシリスクに見られるとヒトや動物は死んでしまうという。そのために、ガラス(鏡)の後ろに隠れて見なければならない。アレキサンダー大王の物語によれば、インドでこの蛇に出会ったらしく兵士に大鏡を持たせて退治したという。バシリスクの変わらないところは、『目差しと毒とによる致死作用である』とも言われる。
『プリニウスの博物誌』によれば、『キュレナイカ地方に棲む蛇で、長さはせいぜい指の幅十二本ていどである。触れるだけで、いや、それどころか息がかかっただけで、灌木と言う灌木は死に絶え、草は燃え上がり、岩石は砕け散る。何でも破壊してしまうこの怪物を殺すのはコエゾイタチを使うしかない』と書いている。
中世になるとバシリスクも変わる。 小さな蛇が大きくなり脚や翼や、尾がついたり、頭には王冠を付けたものも出始めた。これは蛇の中の王としたためである。コブラのように体の半分を直立させて進むと言う。
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