●池上バス通りの大森駅山王口を大井方向に向かい、やや下った右側、山王神社に隣接してある。真言宗智山派 海光山円能寺、別称大森不動尊である。
寺伝によれば享保年間に荒廃した寺を再建、観音霊場、多摩川南北札所第三十一番として栄えた。付近から東海道につながる道もあり、江戸時代は平間寺(川崎大師)と共に行楽の道筋であったのではないか。写真のように不動尊の雰囲気が感じられる寺である。
●墓域中央には、無縁仏となった人達の墓があり、周りを各種の仏様がお守りしている。中央には丸彫りの地蔵様二体、聖観音菩薩立像三体がある。左写真は聖観音菩薩立像で、中央は江戸中期頃の像と考えられている。他はハッキリしないが、右はやや腰を落とし、腹をやや前につきだしてような姿は、百済伝来の仏様のようである。(大田区資料、史話9号「大田区の石塔と石仏」)