ー大森の和中散ー
●江戸時代、東海道の大森宿付近には『食あたり、暑気あたり』に効く漢方薬『和中散』を売る店が三軒あったという。上記の絵は『江戸名所図絵』(斉藤月岑編 天保年間)に描かれた店の風景である。
絵の屋号『梅木堂』店は、三軒の中でも一番の大店であろう。大森村南原にあった。もともと和中散は近江村栗太郎群地蔵村(現在の滋賀県栗東市六地蔵)の梅木が発祥の地である、東海道草津宿に近いことから、『梅木の和中散』として知られていた。創業は慶長年間と言われている。また大角家が創始であると言われるなど諸説がある。