●花柳章太郎について……
本名 青山章太郎(1894〜1965年)東京日本橋生まれ、戦前・戦後にかけて新派を代表する女形である。初舞台は「雪子夫人」(本郷座)である、大正2年(1913)には幹部となり、大正4年(1915)に演じた『日本橋』のお千世が評判になり人気女形となる。後に本流新派からの脱皮を目指し試行錯誤を繰り返す、その結果が出たのは昭和6年(1931)明治座で公演された『花柳巷談二筋道』の成功である。同年には映画に進出した、溝口健二監督の『残菊物語』では歌舞伎役者「尾上菊之助」を演じて大好評を得る。女形だけでなく演技することが出来ることが証明された。当たり役は『滝の白糸』、『鶴八鶴次郎』、『婦系図』、『明治一代女』などである。人間国宝にも選ばれた。墓は本行寺墓域内にあり、写真の後ろに見えるのが本行寺本堂である。