● 『不忍禽譜』屋代弘賢編 約40図を収録
漁師が前世を悔いて坊さんが助ける話は、全国各地にある。その一つが『日蓮上人石和河にて鵜飼いの頑迷を済度したまうの図』である。漁師が前世を悔いて坊さんが助ける話は、各地にある。『日蓮上人石和河にて鵜飼いの頑迷を済度したまうの図』である。
●「善知鳥(ウトウ)」チドリ目ウミスズメ科、 鳩ほどの大きさ、繁殖期には嘴の上に突起を生ずる。砂浜に穴を掘り産卵する。北海道・本州北部の離島に生息する。国立国会図書館デジタル化資料
●「善知鳥(ウトウ)」北太平洋地域に生息する。ウトウは世阿弥の謡曲「善知鳥」で有名である。
世阿弥の『善知鳥』とは、立山信仰にある「地獄草紙」や津軽地方の民謡「珍鳥説話」などに題材をとった。
内容は、『立山にさしかかったとき、漁師の亡霊が現れ、妻と子に簑笠を届け仏壇で供養する事を願う、漁師はウトウの雛鳥を捕獲していたため、地獄で鬼と化したウトウにせめられていたのである』。ウトウには、親鳥が「うとう」と鳴くと、茂みに隠れていた子の鳥が「やすかた」と鳴いて居場所を知らせると言われる。その性質を利用して、猟師が雛鳥を捕獲すると、親鳥は血の雨のような涙を流していつまでも飛びまわるという言い伝えがあり、そのために捕獲の際には蓑笠が必要とされた。(国立国会図書館デジタル化資料)